中国のヤバい正体 孫向文

  • 2017.11.05


【感想】
中国人漫画家が書いた中国の現状に関する漫画。漫画なのでパラパラとめくる感じで読みやすく(30分くらい)、それでいて、日本のメディアをよく賑わす尖閣諸島問題やネット規制、不動産バブルなどについて簡潔に述べられている。中国国民は実際にこれらの問題をどのように捉えているかも書かれている点がとても参考になった。ただ、食品問題は想像以上に驚く事例が多かった。

日本でも、尖閣諸島問題や中国人のマナーなど中国を警戒したり悪く思わせたりするような報道がありがちだが、中国政府=中国人ではないので、中国人のことを嫌いになるのは別問題。実際に今までに会った中国人も優しい人ばっかりだったし。逆に中国政府に情報統制されているために、反日感情を起こさせられている中国人の現状に悲しくなった。



【要約】

①メディア
1)中国の出版社は全て国営で、政府からの出版規制は日常茶飯事
2)中国最大のチャットサービス「WeChat」(日本のLINE)は、アプリをインストールする段階で、トロイの木馬と呼ばれるウイルスが仕込まれており、ユーザーのチャット動向を全て監視できる状態にある。
3)中国のネット規制はひどく、FBやtwitterは全てブロックされている
→中国のコアなネットユーザーは海外のVPN(仮想専用線)を使って海外のネットを閲覧することで、政府によるネット規制をかいくぐっている

②経済
1)今の中国の地価は異常で、都市部は日本のバブル時代と似たような不動産バブル状態にある(2009-2012年のわずか3年弱で地価は6割も上昇)
→実際に人は住んでいないゴーストマンション化しているところが多く、すでにバブル崩壊は一部で始まっている。

③尖閣諸島問題
そもそも中国国民は尖閣諸島のような小さい島のことは、1つも関心はなかったのと、そもそも中国の地図では尖閣諸島は中国領土として記載されているために、中国領土と思っている中国人がほとんど。
→2012年に日本が尖閣諸島を購入することを発表した時には、反日デモが勃発。しかし、尖閣諸島が日本領土だと証明する証拠が中国でもネット上にアップされ始め、次第にネット世論が変わり始めた。特に中国政府が、「尖閣諸島は日本と共同開発を求めるべき」と主張を一転したことから、政府への不信感が募り、国民の反日感情はそのもま反政府感情へ

④国境紛争
中国人にとっては、フィリピンやインド、ベトナムなどとの国境問題より、日々の暮らしの方が重要で、国との領土問題にはあまり関心がない。
ちなみに中国人が最も嫌いな国は北朝鮮。ただし、中国政府はアメリカのアジアへの介入を強めて欲しくないため、北朝鮮と組まざるを得ない状況

⑤教育
中国の学校では、部活はなく、ひたすら勉強のみ。皆ジャージで、日本でいう制服はない。
中学校は成績順に学校を振り分けられるが、その成績も「合法的に」金で買うことができる

⑥食
お酢料理で胃がやられる危険性があったり、スイカは膨張促進剤を大量に注射しているため爆発の可能性があったりと、食品問題は日常茶飯事
違法な食品業者は中国共産党院に賄賂を渡して見過ごしてもらっているために、食品問題はあとをたたない。

⑦環境
中国の空気汚染はひどく、一番の原因がディーゼル車からの煙。大気汚染で約30万人の都市住民が早死にするとの報告あり。
食品問題と構図は同じで、企業は役人に賄賂を渡すことで、環境汚染し続ける。

⑧司法
「労働再教育」:警察が裁判しないで独自の判断で反社会的な人間を拘禁できる。
裁判では死刑を乱発。横領や詐欺や強盗などでも整形になることも。