暗号解読〈上〉 サイモン・シン

  • 2017.10.26


【感想】
暗号作成と解読の技術発展に関して、暗号にまつわる歴史(主に戦争)とともに記載された本。上巻は古代ローマから、第二次世界大戦のエニグマ機まで書かれている。
難解な数式を使用せずに各暗号の原理原則は十分わかる内容となっており、さらに暗号が特に戦争における秘密通信としていかに重要だったかストーリーも記載されておりかなり読み応えのある本だった。

【要約】
上巻で記載されている暗号方法の発展の歴史は下記
①単アルファベット換字式(頻度分析により破られる)

②多アルファベット換字式(暗号アルファベットの周期性+頻度分析により破られる)

③エニグマ機
・従来の多アルファベット換字式の一つであるヴィジュネル暗号の弱点である周期性を克服しランダムな鍵を機械的に生成することに成功
→暗号化の方法は10億通り以上と事実上不可能なまでの組み合わせに

④アラン・チューリングによるエニグマ機の解読
・エニグマ機が生成する10億通り以上の鍵を構成する鍵生成機を分割して解読できるようにする機械を開発。これにより多アルファベット換字式暗号が解読可能に

上巻終了(第二次世界大戦終了時)には、暗号解読の方が暗号作成より優位な立場に。戦後の暗号作成と解読の覇権争いは下巻に続く