『医療4.0 ~未来を描く30人の医師による2030年への展望~』は、コンテンツ作成・マーケティング手法も秀逸だった

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突然ですが、2018年6月23日に『医療4.0 (第4次産業革命時代の医療)~未来を描く30人の医師による2030年への展望~』が発売されます。

この本は、医師でデジタルハリウッド大学の客員教授をされていらっしゃる加藤浩晃先生が、未来を描く医師30人にインタビューをした内容を対談形式で本にしたもので、2030年の医療に向けて考えるきっかけとなってもらうことを意図して出版されています。


下記のような概要です。

歴史的転換点「医療4.0」到来!
未来を描く医師30人による、2030年への展望
2030年の医療現場は、第4次産業革命で登場する人工知能(AI)やIoTなどの技術革新により、大きく変わります。こうしたテクノロジーが医療現場に導入されると、「医療4.0」が到来し、多角化、個別化、主体化が進んでいきます。テクノロジーを適切に活用し、医療現場の課題解決に結びつけるにはどうしたらよいか。未来を見据える医師30人の提案とともに、医療の未来を展望します。
<主な内容>
第1章 日本の医療における変化と課題
第2章 医療とテクノロジーの現状と展望
第3章 未来を描く医師30人の展望

私も僭越ながら、インタビューの機会を受け、話をさせていただきました。
本の内容自体も大変刺激的で是非ともおすすめしたい内容となっておりますが、今回は、本が出版されるまでに感じた「コンテンツの作成の仕方とマーケティング」に関して、そばで見ていて勉強になった点について書きたいと思います。

4月26日の夜(ほぼ深夜)に加藤先生よりいきなり下記のメッセージが届きました。

吉永先生、突然すみません!!
日経から今度「2030年の医療の未来」みたいな本を作るんですけど、先生にインタビューという形で登場してもらいたいんですがどうでしょうか?
30人くらいお願いする感じの1人で、6ページの分量になります!

約3000字の原稿をお願いしたく(締切がタイトで5/5・・)、その内容を決めるために電話でいいので20~30分くらい話をさせてもらいたいです。

話を伺った際には、「これは、ホントに突然の内容だな(自分もよく相手にFBメッセを送るときにやっています^^;;)」という第一印象と、声をかけて頂いて大変光栄だという気持ちと、3000字の原稿はなかなか書いた機会がなく、締め切りまで10日もないということで「これは結構大変な仕事になるな」というちょっとした不安がありました。
またとない機会であり、もちろん引き受けさせていただき、結果的にはなんとか締め切りに間に合わせる形で原稿を作成してホッと胸を撫でおろしました。

インタビューも、加藤先生とFacebookの電話で、記事の大まかなコンテンツの内容を10分程度ですり合わせて、後は自由に書くという「遠隔インタビュー」の形式で、とてもコスパの良い新しい手法だなと思いました。

その後、1か月程度過ぎた5月末に、再び加藤先生よりインタビューを引き受けた30人の医師に対して「「医療4.0」の書籍完成までもう一息です!」というメッセージをいただき、「30人の執筆者とのやり取りを同時並行で進めながら、わずか一か月で書籍にまで完成させる加藤先生凄すぎるな」と驚愕しました。
もしかしたら、この本の構想自体は前々からあったのかもしれませんが、実際に動き出してから書籍にされるまでがものすごい早くて、むしろそちらの方にびっくりしました。

また、 今までは本の執筆って、一人で200ページ分程度の分量を書き切る途方もない作業(普通にやって1年ぐらいかかるんじゃないか?)というイメージがありましたが、今回の加藤先生のやり方を見て、「インタビューという形でみんなに協力してもらう」ことで(元々の加藤先生の出版の意図がここにあったと思いますが)

1)多方面からの医療従事者の視点を盛り込み、コンテンツとして厚みが増す
2)インタビューを受けた医師が自ら率先して営業マンとして SNS を通じて宣伝してくれる
→マーケティングにおいて、ユーザーが営業マンとなり、どんどんサービスを広報してくれることほど、素晴らしいマーケティングはないと思います。コスト0ですからね。
加えて今回のケースでは
・今回インタビューを受けた方々は、社会に向けて発信活動をしている方が多いので、SNSでの拡散効果が高い
・ 人間、皆、自分の成功体験や承認された事柄に関しては、人に話したがる(かくいう自分も、この本を紹介したいので、こうやってブログで書いているわけですし。)
という、内容・マーケティング的に相乗効果が生まれ(実際に発売前にも関わらずアマゾンの医学部もの書籍ランキングで、すでに1位になっています)、出版方法という意味でも、そばで見ていて、とても勉強になりました。

アマゾン売れ筋ランキング
お茶の水循環器内科 五十嵐先生より画像拝借)


1人で1から本を作成する場合と、このように皆に短編ずつを協力して作成してもらう場合(今回の場合は30名)では、
従来の出版までにかかる時間と拡散効果を、それぞれ1とすると、今回のケースでは

1)出版までにかかる時間:1/30(1人で書く場合と比較して、各執筆者との調整時間や修正のやりとりで時間を取られることを考えると、実際には1/5程度かも)
2)コンテンツの広がり:30倍(各々の多様な価値観が反映される)
3)拡散効果:30倍強(30人のうち全員ではなく、1/3が拡散したとしても10倍)

「より多くの人に未来の医療について考えてもらう」というゴールに向けてのコスパで考えると、1,500〜27,000倍も1人で書くより良いという単純計算になるのでは?
さらに、上記3つの要素の中でも、2番目の「コンテンツの広がり」に関しては、1人では絶対に補えない部分なので、学術的な専門書や小説、自叙伝とかではなく、今回のように読者へ問題提起を働きかける内容の場合には一番良い手法なのではと思いました。

ただ、もちろん、このようなインタビュー形式での出版は皆が皆できるわけではなく、
①取り扱う分野において重要なポジションにある
②皆からの人望が厚い
少なくとも、この2点が必須だと思うので、加藤先生ならではできることだとも思いました。「②皆からの人望が厚い」これがなかなか難しいですよね。やろうと思ってできることではないですし。さすが加藤先生の人柄だわと、皆が加藤先生を協力している様子を拝見していて感じました。加藤先生のお人柄に嫉妬する^^;ということで、今回のブログをしめさせていただきたいと思います!

肝心の内容の紹介は全然していなかったので、次回以降のブログに書きます。
ヘルスケア分野の未来に興味のある方は、是非手にとってみてください!

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