医療×ブロックチェーン⑦ まとめ・いろいろ考察

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以上、医療×ブロックチェーンに関して、下記のように合意済み部分と解決されていない部分に分けて考えてみたが、全体的には技術的にもビジネスモデル検証的にもまだまだこれからという感じ。

解決 or 合意済み問題
・医療データをon-chainに載せない
・コンセンサスアルゴリズムにPoWを採用しない

解決されていない部分
・クローズド or パブリック?
・どのコンセンサスアルゴリズムを用いるか?
・データ保存問題(セキュリティ問題)
・インセンティブ設計の検証
・ビジネスモデルの検証

この解決されていない部分に関しては、おそらく「技術→ビジネスモデルの検証→医療データの統合」の順番で浸透が進むと思われる。

1)技術
おそらく、2020年までには処理取引速度が実運用に耐えうるブロックチェーン技術が登場し、技術的には複数病院間もしくは患者も巻き込んで患者データをやりとりできるレベルに達するのではないか?と予想。参加するノードが増えたとしても、技術的にはしっかり取引承認できるようになるはず。

今回比較した4社の中ではIryoのwhite paperが技術面の説明が最もしっかりしていた。他はツッコミどころが結構あった。 ヨーロッパの医療標準規格open EHRは結構導入が進んでいるので、Iryoがこのままヨーロッパのパイとるのかなと思ったが、進捗がなぜかジョーダンの診療所でのみ試験運用と全然な感じが懸念点。営業力がないのかな。

 

2)ビジネスモデルの検証
技術が実運用に達してから1, 2年で色々と検証が進むはず。 多分クローズド型のブロックチェーンを用いたスモールな実証実験レベルで「研究者が患者データ取得に対してこれくらいのお金を払う」「保険会社の保険加入審査の事前チェックの人件費がこの程度削れる」などの大体のコスト感が分かってきて、より具体的にビジネスモデルを設計できるようになるのではないか?

 

3)医療データの統合
これは正直全く読めない。結局最後は医療データの標準化がどこまで進むかでスケールの程度が分かれるのかなと。 今までの20年の歴史の進捗を見るに、なかなか進まなさそう。 しかし上記のビジネスモデル検証で、もし「意外と研究者がお金払って患者の医療情報を取得するビジネスモデル成り立つんだ」とわかれば、それを売りにして電子カルテ会社にアプローチをかけて、導入のメリットがあると感じた電子カルテの参入を筆頭に一気に電子カルテの標準化が進むかもしれない。

ただ、進むとしてもアメリカやヨーロッパが早いのかな。日本は研究費の予算が欧米と比較すると雀の涙くらいに小さいので、ビジネスモデルの検証自体が難しそうなので。

さらに、これは、アメリカ・ヨーロッパ・日本ですら医療の標準規格が異なるので、医療×ブロックチェーンプレイヤーは各国で勃興すると予想。 さらにそれらを統合した世界的なPHRプレイヤーとなると、また国を超えた標準規格対応というハードルがあるため、さらに時間がかかるし、各国で勃興した医療×ブロックチェーン会社同士のパイの取り合いになるため競争は熾烈になると思われる(現在のタクシー業界におけるUber・DiDi・Grubのように三つ巴・四つ巴の状態が続くのではないかと予想)

 

まとめてみて、自分だったら医療×ブロックチェーンに今のタイミングでは参入しないかなと思った。 こちらの記事の「医療分野におけるブロックチェーンの今後」で述べられている下記の部分が真理だと思った。

米国市場は、ブロックチェーンヘルスケアスタートアップにとって参入が難しいことが証明されています。その理由は明らかで、既存の医療提供者が、自身の持つ医療機関とそこで使用するテクノロジーから利益を得ているから。

規制が厳しく金銭的なインセンティブがある米国の医療制度は、ブロックチェーンによる大革命の主要ターゲットの1つでありながら、患者にとっての直近のメリットがありません。

既存の医療提供者が、現在の医療環境の中でブロックチェーンテクノロジーからの利益を最大化する方法を見つけると、加速度的に進化が進むでしょう。

日本も、民間のベンダーが乱立しながら医療情報を管理するシステムを医療機関に提供している点で構図はアメリカと同じで、既存のプレイヤーをうまく乗っからせるようなビジネスモデルを構築できないと進まないし、逆にそれができれば、一気に医療のブロックチェーンは進むと思った。

〜〜以下、妄想〜〜

もし電子カルテが絡む部分で仮にやるとしたら、各電子カルテ会社の医療データ規格を標準規格に変換する mapperのサービスを地道にやって提携の電子カルテ会社を増やすのをやるかな(でも、これは、電子カルテ会社の開発部長など意思決定レベルにある人につながる人脈がないと提案すらできないし、最初は無料でやらせて下さいくらいの頼み込みでないとできないはず。標準規格対応自体はそんなに開発難しくないと思うのでベンチャーでもコスト的には参入できそうだけど、人脈ないと、あとベンチャーは実績ないため頼まないよと電子カルテ会社に言われたら終わりな点が苦しい)。

そして、医療ブロックチェーン会社が技術レベルで2,3年後実運用に達した時に、医療ブロックチェーン会社にmappingサービスを提供する。もしくは、その頃には取引処理速度が速く、取引コストも低いブロックチェーン技術がフレームワークとして簡単に実装できるようになっているかもしれないので、そうなっていたら自社でブロックチェーン部分を構築して、mappingとともに売り込む。 多分、サービスやるなら順番が逆かなと。今流行りのブロックチェーンをやるより将来スケールする上で障害となるmappingを地道に準備しておいた方が賢いと思う。もし、やるなら。正直やろうとは思わないけど。

あとは、電子カルテが全く絡まない部分で独自にサービス提供(治験とか処方箋のみに絞るとか)とか。電子カルテが絡むとメチャクチャ大変そうなので。 かといって、自分が電子カルテやって、医療標準化構想立ち上げるとかは、電子カルテ死ぬほど売れないし、他の電子カルテ会社を敵に回すだけなので、まず難しいと思う。

 

ここまで、交通整理的な感じでまとめてみましたが、あくまでネット上に出ている情報をもとにコンサル的に推測しただけなので、頭の体操程度ということで。

実際に医療×ブロックチェーンでサービスを開発している人達は、この100倍以上も知見たまっていると思います。こんな感じで外部からコンサル的に推測することと実際にやってみるのとでは100倍程度違うので。

まとめて自己満足できたので終わりにします。
それでは、また♪




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