逆流性食道炎 @GERD
GERD 治療
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ロサンゼルス(LA)分類
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重症度分類:グレード N、M、A、B、C、Dの6段階
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PPIが第一選択(通常8wまで)、維持療法でH2RA考慮
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症状改善乏しい場合はEGD再検や外科的介入
NERD
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GERDの中で、内視鏡の所見上、食道粘膜の障害を認めないもの
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GERDと比較するとPPIの反応性は乏しいが、症状改善率ではH2RAよりもPPIの方が効果大きい→結局PPIで
リスクファクター
LES圧低下
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脂肪食、カフェイン、チョコレート、辛い食べ物、炭酸飲料
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右側臥位、臥位
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タバコ、アルコール
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肥満
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妊婦
症状増悪
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昼間に大きな声で会話(横隔膜の動きがよくなるため)
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前かがみ(胃の圧迫)
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食後横になった時(解剖学的に逆流しやすい姿勢)
治療
①生活指導
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減量と就寝時の頭挙上のみ効果あり
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就寝2,3時間前の食事を控える
・脂っこいもの、甘いもの、刺激となるもの、消化の悪いものは控える
・お酒・たばこをやめる:LES圧を低下させる
・食べ過ぎない
・食べた後すぐ横にならない(食後3hは横にならない)
・肥満・便秘の解消
・前かがみは避ける、猫背にならない背筋を伸ばした姿勢
・寝るときは上体を高くする(Fowler体位)
腹圧の上昇は胃液の逆流を促す
→・お腹をしめつけない。ベルトやゴムは緩くする
・重いものを持ち上げる作業や怒責を伴う作業は控える
②内服治療
→標準量PPIの8週間投与
H2RA:内服後2.5hでピーク。4-10h持続
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夜間の酸分泌は強く抑制するものの、食事刺激のある日中の抑制効果は今ひとつ
PPI:内服後30分でピーク。食事30分前に内服
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夜間も日中も抑制効果が強い
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内服時間帯
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日中の胃酸分泌抑制を中心に考える→朝食前が好ましい
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夜間胃酸分泌抑制を中心に考える→夕食前や眠前が好ましい
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③PPI抵抗性GERDの場合:PPIは服用してから3~5日間程度経過しなければ十分な酸分泌抑制効果が得られない
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PPI標準量の倍量・1日2回投与
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PPIの種類の変更
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モサプリド(5mg 3T3X)や六君子湯の追加投与
→上記でダメなら24時間食道pHモニタリング施行,酸が十分に抑えられていない(pH<4)
モサプリド(ガスモチン):セロトニン受容体(5-HT4)作動薬
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5-HT4受容体に結合し、刺激することでAchの放出を促す→胃腸の動きを促進
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副作用:口渇感、下痢、腹痛、瞳孔収縮
GERDによる咳嗽
原因
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逆流した胃酸が、食道下部粘膜に刺激を与え、そこに分布する迷走神経を介して咳嗽を誘発
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逆流したい内容物が直接気道に誤嚥されることを繰り返して、気道に刺激を与え咳嗽を誘発
疫学
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最近は10-50歳代の若年成人にも多い
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食文化の変化:チョコレート、コーヒー、ケーキ、ココアなど、LES(食道下部括約筋)を弛緩させる食事をとる人が多くなった
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症状
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食後の満腹時にゲップと一緒に乾性咳嗽が出やすい
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特に、ラーメン、うどん、そばなどの麺類を食べた後に多い
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夜間よりも昼間に多い
スコア>8点でGERDの可能性↑
内視鏡所見
ロサンゼルス分類
非びらん性GERD(NERD)
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N:正常
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M:食道粘膜が白濁するだけの微小変化型
びらん性GERD(逆流性食道炎)
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A,B:軽症
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C,D:重症