下血
初期対応
- 採血(血算・生化・ガス・凝固・緊Cre・血型)・輸液(バイタルに合わせてスピード調整)
- EKG
- (腹部エコー)
- 直腸診+肛門鏡
- 尖端にゼリーをつけて、半分くらい挿入
- 内筒を抜いて観察し肛門鏡を引きながら活動性出血(extra)ないかを見る。
- 直腸近位からの出血の有無
- 造影CT(肝〜骨盤腔:ダイナミック)→活動性出血の有無と場所の確認。血便全例に施行
- IVRがすぐに出来ない場合があり、手術になる場合があるので、場所を確認しておくことが大切
- 緊急内視鏡する場合も、活動性出血の場所の同定は参考になる
内視鏡
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精査しても原因不明な血便は小腸出血がほとんど
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下部消化管内視鏡はそれ自体のリスクも高く、activeな状況では出血点を見つけることが困難。そのため、絶食にして出血が落ち着いてから処置(second look)を行うことも多い
痔核の初期対応
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外痔核:強力ポステリザン軟膏1回1個
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内痔核:ネリプロクト坐薬 1回1個
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大量出血の場合は、外科コンサルト
病歴
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普段のADL
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普段の排便状況
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量・回数・色
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Last meal
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新規開始薬剤(抗血小板・抗凝固・NSAIDs・抗菌薬)
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海外渡航歴
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最近の医療機関受診歴(特に内視鏡)
ROS
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発熱・腹痛・嘔吐・下痢・吐血・ふらつき・背部痛・冷汗・排便時痛
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黒色便でも下部のことがあるし、血便でも上部のことあり
治療
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バイタル安定していたら、まずはNPO→75%程度は自然止血される
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バイタル安定で、前処置可能であれば、前処置して
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バイタル不安定→緊急内視鏡は、前処置(ニフレック。ニフレックきつい場合は高圧浣腸)が必要で、数hは治療開始までにかかるのでIVRが優先される
鑑別「DRAIN」
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D:diverticular(5割) 憩室出血
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R:rectal cancer / hemo / radiation
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A:angiodysplasia(5%)
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I:IBD(inflammation) / infection / ischemia(1割)/ iatrogenic(ポリペク後)
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N:neoplasma(1割)
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上部消化管出血の1割程度に血便あり
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直腸潰瘍:寝たきりで直腸が圧迫されている人に多い→ADL聴取
バイタル不安定な場合
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憩室出血
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大動脈破裂
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直腸潰瘍
下血:十二指腸より肛門側の出血
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吐血をきたすには、幽門の締め付けに打ち勝つ必要があり、困難なため