輸血
目的:酸素を運ぶため
オーダー
クロスマッチ
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死んじゃう→緊急O型
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やばい→ノークロス(8分)
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そこそこ→生食法(15分)
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待てる→普通の方法(30分)
出血に対する戦略
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外科的止血を再優先
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出血量の軽減:IABP・ガーゼパッキング
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循環血液量の補正にはまず輸液
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Hb:3-5g/dLを維持する輸血
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濃厚赤血球液は、粘性が高く不利
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輸血・膠質液は費用対効果が低い
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時間を稼ぐことで安全な輸血が可能
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凝固因子の補正は外科的止血完了後
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目標値:INR<1.5
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投与速度
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輸血事故を考慮し、最初の10-15分は1ml/分程度でゆっくり落とす
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即時型の輸血副作用がないことを確認したら、5ml/分で輸血(RCC 2Uで68分、濃厚血小板10Uで52分、FFP 2Uで60分)
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出血量と使用製剤
出血量
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使用製剤
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循環血液量<20%
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細部外液補充材を出血量の3倍
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20-50%
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血漿増量剤(HESなど)
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50-100%
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上記にRCCを追加, 適宜アルブミン製剤を投与
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100%以上
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FFPやPCを考慮
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赤血球輸血
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慢性貧血
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輸血を行う1つの目安:Hb:7g/dL
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Hb値を10g/dL以上にする必要はない
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RCC 2U→Ht:4%上昇。Hb:80/BW上昇
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急性出血
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循環血液量(70ml/kg)の20%未満の出血(体重50kg:700mL以下)は、無輸血が原則
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出血量の2-3倍の細胞外液を輸液
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輸血開始基準(Hb値):TRICC trial(1999)
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敗血症での輸血におけるヘモグロビン閾値を検討した多施設RCT
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輸血閾値をHb10 g/dLとして自由に輸血することに比べ、7 g/dLに制限しても予後は明らかに悪化しないばかりか、サブグループによっては死亡率が改善
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→輸血のコストや限られた医療資源を考えると、敗血症性ショック患者で輸血閾値を9 g/dLとして積極的に輸血することはあまり推奨されず、7 g/dLとしても基本的には問題なさそう?
敗血症性ショック(Hb値):TRISS trial
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敗血症性ショックの患者において,90日死亡率,虚血性事象発生率,生命維持装置使用率は高いHb濃度(<9)で輸血を開始した患者群と低いHb濃度(<7)で輸血を開始した患者群とで同等であり,後者の方が輸血が少なかった
血小板輸血
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PLT>5万以上あれば重篤な出血は稀で、手術に際しても輸血の必要性なし
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PLT<1万:血小板輸血必要(しばしば重篤な出血あり)
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PLT 10U:PLT3万上昇
新鮮凍結血漿(FFP)
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凝固因子の補充
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50kg:400-600mL
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凍結血漿投与量=BW✕12
アルブミン製剤
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補正は一時的効果しかなく回収率が悪い
値段
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RCC 2U:17234円
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新鮮凍結血漿2U:17414円
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PLT 20U:154523円
副作用
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GVHD:放射線照射
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輸血関連急性肺障害(TRALI)
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TACO
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不適合輸血による致死的溶血反応