蛋白尿
持続タンパク尿があるならば、腎疾患の精査を行う。
一方で生理的タンパク尿の上限は100mg/dlであり、これは蛋白定性2+ (100mg/dl)まで。ゆえに2+以上のタンパク尿は腎疾患を疑う。
非病的
1)機能的蛋白尿
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激しい運動の後・精神的に興奮した後などに、生理的タンパク質排泄量を超える蛋白尿が見られることあり
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原因機序不明
2)起立性蛋白尿
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臥位では蛋白尿が見られないのに、立位や歩行時だけ蛋白尿をきたすこと
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思春期に多い→ほとんどが予後良好で20歳代で蛋白尿を認めなくなる
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腰椎の前彎(ぜんわん)との因果関係明らか(背中を20度ほど反らせて立位前彎負荷すると蛋白尿見られる)
病的
大きく3つ。原因臓器の上から順に
1)腎前性(overflow型)蛋白尿
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腎臓にやってくるタンパク質が多すぎるために処理しきれず、漏れてしまうタイプ
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ミオグロビン(分子量:17,000)→横紋筋融解症
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ヘモグロビン(分子量:6,8000)→血管内溶血
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Bence Jones蛋白(分子量:44,000)→骨髄腫
2)糸球体性蛋白尿
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糸球体の濾過の破綻→アルブミン漏れ出てくる
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一次性:糸球体腎炎(GN)・ネフローゼ
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二次性:膠原病・DM・薬物中毒
3)尿細管性蛋白尿
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β2ミクログロブリンなど分子量の小さいタンパク質は、糸球体を通過して尿細管腔に漏れ出るがほとんどは近位尿細管で再吸収される。
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しかし近位尿細管障害があると、再吸収できずに漏れ出てくる
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Fanconi症候群、カドミウム暴露