CRBSI(カテーテル関連血流感染症)
診断
- 菌血症症状がカテーテル留置後48h以降に起きた場合に考慮。
- 少なくとも2セット(血液培養カテ逆血+末梢)
- 2セットのうち少なくとも1セットは末血から血培とる。カテは皮膚常在菌でコンタミしている可能性があるので、2セットともカテ逆血だと血培の特異度・陽性的中率が下がるため
- カテ逆血採取時は必ず新しいコネクタを経て。ルーメン数の数だけ培養を取るが理想
- 症候もないにルーチンでカテから逆血は引かない。CRBSIを疑わない状況で逆血から血培を取らない。
- 2/2セット以上で同一菌株→CRBSI疑う。
- カテ逆血み陽性→基本的にはコンタミ。臨床所見が怪しければ血培を繰り返す。
- カテ逆血と末梢血の血培陽性の速度によってCRBSIをより疑うという報告もあるが、血液培養量を等しくする必要があるなどの条件があり、また黄色ブドウ球菌の研究では感度42%、特異度100%でありあまり信頼できない。
起因菌
- 表皮ブドウ球菌(16.4%)
- 表皮に常在しており、colonizationまたはcontaminationの可能性も考慮!
- 黄色ブドウ球菌(13.2%)
- 腸球菌(15.2%)
- カンジダ(13.3%)
- 広域抗菌薬使用下
- 高エネルギー輸液投与者
- 嫌気性菌が原因となることは極めてレア
その他考慮
- 火傷患者→緑膿菌
- 悪性腫瘍理患者→GNR
- 透析患者→GPC
- 脂肪製剤が必要となる乳幼児→マラセチア
治療
1)カテーテル抜去
可能な限りカテーテル抜去/できない場合は別部位へ入れ替え。カテ抜去できるかできないかは死亡率と相関する。
- カテ抜去の必要がある場合、最適な再留置は抜去が2日以上経過してから
2)empiric therapy
- MRSA・CNSが起因菌として多い→バンコマイシン(2nd lineはダプトマイシン)
- GNRを疑い/グラム染色で見えたなら緑膿菌のリスクに応じてCFPMの投与(PIPC/TAZは使用しない。嫌気性菌のリスク低い+PIPC/TAZ+VCMの組み合わせは腎機能を著しく悪化させるため)
- カンジダ血症を疑う→フルコナゾール
- 抗菌薬は最低2週間、それ以降はcase by case
3)血培結果解釈。de-escalation
- カテ逆血からの培養1セットのみからCNSが検出された場合はコンタミの可能性あり。ただし、1セットでもCNS以外の菌が検出された場合はコンタミの可能性は低い
疫学
- 患者因子:TPN、低栄養、皮膚の脆弱性はhigh risk
- カテーテル因子:抹消ルートに比べてCVはリスクが高い。またCV留置部位では鎖骨下静脈からのアプローチが他部位に比べてリスクを減らせると言われる。
- PICCの方がCVCよりBSIにはなりにくいが(リスク比0.62)、局所感染は同等に見られる。
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pair/tuple(C++) 2019.08.19
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