ディープラーニングを用いた脳腫瘍のグレードの自動分類:スタンフォード大学

脳腫瘍グレード分類方法

背 景

  • 現在、脳腫瘍のグレードは、病理組織切片を病理学者が観察し、脳腫瘍の形態学的特徴(丸み・大きさ・細胞内の核の形など)をもとに判別しており、治療法と生存率決定の最重要プロセスである。
  • しかし、現時点では病理学者間でグレードの決定にばらつきがあり、分類基準が完全に正確ではないことも1つの原因である。この点で大規模データからディープラーニングにより、自動的に機械が脳腫瘍のグレード分類する価値がある


方 法

  • 癌ゲノムアトラスに掲載されている、既にグレード分類されている脳腫瘍の病理組織画像をサンプルデータとして学習(教師あり学習
  • その後、Cafe(ディープラーニングのフレームワーク)を用いて、まず8層から成る畳み込みでグリオーマとそれ以外を判別し、その後19層から成る畳み込みでそれ以外の低悪性度腫瘍をさらにgrade2とgrade3に分類した。なお、活性化関数はReLU(ランプ関数)を使用


結 果

ディープラーニングのConvolutional Neural Network(たたみ込みニューラルネットワーク)により、多施設から集められた病理組織切片において

  • 96%の精度で、グリオーマ(grade4の悪性度の高い脳腫瘍)とそれ以外の低悪性度脳腫瘍を判別
  • 71%の精度で、低悪性度脳腫瘍のうちgrade2とgrade3の判別に成功した。


考 察

グリオーマとそれ以外の低悪性度脳腫瘍の判別の精度は高かった。
grade2とgrade3の脳腫瘍判別の精度が71%にとどまった原因としては
  • 多施設からの病理組織切片であり、組織切片のスライスや染色が画一的でない点でサンプル画像の特徴に差が出ていたこと
  • grade2とgrade3の形態学的特徴の差が、グリオーマとそれ以外の特徴の差と比較して低いこと

などが挙げられる。しかし、これらは今後精度向上できる課題である。



ディプラーニングの隆盛により医療分野の画像自動解析はホットトッピック

ちなみに、米スタートアップEnlitic社は、レントゲン写真やCTスキャンから悪性腫瘍を見つけ出す画像認識ソフトを開発し、肺癌検出精度は放射線医師が1人だけで肺がんを検出する精度を5割以上も上回ったと報告している。

下記ITPro記事に詳細が記載されております。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/061500148/122400043/?ST=bigdata&P=1