カプラン・マイヤー曲線_生存曲線
家にあったこちらの本を読んでみたら予想以上にわかりやすく面白かったので、内容のまとめを今後記載していきたいと思う。今回は基礎研究や臨床研究論文に非常によく登場するカプラン・マイヤー曲線(生存曲線)について
カプラン・マイヤー曲線
「死亡」「生存」など2値のアウトカムの時間の経過に伴うリスクの推移を考慮に入れながら,介入治療など暴露の効果を解析するときに広く用いられる手法
– 不完全データの存在を考慮した点
– 打ち切りデータで、その研究の信頼性がある程度わかる
– 死亡患者を1人避け得るため行う治療に必要な人数
– 絶対リスク減少率(対照群イベント発生率ー治療群イベント発生率)の逆数
– 薬品の薬価をNNTにかけることで、死亡患者を1人避けるためにいくらの薬の値段が必要かが計算できる!(例:コレステロールを下げる薬であるプラバスタチンはNNT119→薬価を考慮すると、1人の患者を救うのに4900万円ほどかかる
– カプランマイヤー曲線で生存率がちょうど50%になる時間
評価
– ないに越したことはないが、脱落が全くないと試験の信頼性が疑わしい(臨床試験という一種の人体実験をやっている以上、脱落はある一定の確率で起こるのが前提なので。同意撤回による脱落が一例もないのはおかしい)
– 80%以上の追跡率(20%以下の脱落率)が基準
カプランマイヤー曲線では、「ヒゲ」で表示される
– カプランマイヤー曲線の左のほうにヒゲがたくさん立つのは、品質の良くない臨床試験を示唆。情報量がほとんどない段階での脱落→試験計画や運営体制が疑問視される
悪い打ち切り
– 途中の、「中止・脱落症例」や「追跡不明例」の箇所に極端に大きい数字が書かれている場合は、悪い打ち切りを示唆
-
前の記事
人工知能は人間を超えるか 2015.10.11
-
次の記事
サンフランシスコ大学(USF)訪問 2015.10.13